長野といえば冬が寒いイメージが強く、住宅購入をする際も冬が温かいことを重点に考えている方が多いと思います。
しかしながら近年は地球温暖化の影響で長野市も夏は猛暑、憂鬱になるほど暑い日が続くようになってしまいました。

実は冬に暖かい家を作ることができるように、夏に涼しく過ごせる家を作ることもできます。
今回は夏でも快適に過ごせるための家づくりについてお話します。

これから家を建てる方、リフォームされる方、是非参考にしてみてください！

長野市の気温変動

長野市も松本市も飯田市も長野県では平均の気温が上昇しています。
長野市では平均気温は100年あたり1.3℃上昇しています！

もちろん長野市だけではなく、日本中・世界中でも気温は上昇傾向で、大きな問題となっています。

長野県では将来予想をしており、もし一番高い気温で上昇していくと2076年には今の佐賀県と同じぐらいの気温になると予想。
長野県の名産がりんごからみかんに変わる将来がやってきてしまうかもしれませんね。

夏でも断熱性・気密性が大事？

断熱性・気密性と聞くと長野にお住まいの方は冬だけの為と思ったりしませんか？

よくCMでも冬暖かい家として断熱や気密を謳う内容のものが流れていたりしますよね。
何となく高断熱・高気密は夏ものすごく熱くなったりするんじゃないの？
と思う方もいるのではないでしょうか。

厳密にいうと断熱や気密は冬だけではなく、夏にもかかわる大事なポイントです。

断熱性が高い家にすると、屋外からの気温を防いでくれるので夏の熱気を防いでくれる効果が。

外からの熱気を防いでくれるという事は、家で使用するエアコンにも大きな影響があります。
室内の温度が一定であれば、エアコンは温度設定している温度で部屋を涼しくしようとするのでその稼働を抑えることができるようになります。

エアコンは気温変化で稼働する時が一番電気を使ってしまうもの。
温度が一定・尚且つ家の冷気が外に出てしまわなければ快適な温度で一日を過ごすことができるのです。
しかも電気代はお安く抑えることもできるかもしれません。

高断熱・高気密の家は魔法瓶と同じようなイメージです。
冬は暖かい飲み物を入れておけば長い時間温かいまま、夏は冷たい飲み物を入れておけば冷たいままで飲めるのと同じなので、夏でも高断熱の家は冬と同じように有効です。

また、高気密の家は家の中を涼しくしている冷気を外に逃さないので、断熱性と同様に気密性も大事になってきます。

一番大事な日射対策

日差しの強い夏は、外部からの熱が入る事で室内が暑くなってしまいます。
高気密・高断熱の家で熱を取り込んでしまうと室内の温度を維持してしまうので、暑いままに。

せっかくの高性能なお家が使い方によって暑い家になってしまうのはもったいないですよね。
そのためには熱を中に入れない「遮熱」をすると、外気温の影響を受けにくくできるので是非対策して頂きたい所。
これをしてあげないとせっかくの高気密高断熱の家が台無しです。

遮熱対策を実施するにはこんな対策が効果的です。
①遮熱複層ガラスの設置
②ブラインドの設置（窓の内側に付けるよりも外側に付ける方が3倍近くの効果があります）
③庭に植栽をし、日陰を作る・芝生にして地面からの反射熱を抑える
④庇やオーニング(日除けテント)の取り付け（太陽高度の高い南側の窓では特に効果的です）

参考：経済産業省　資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/

複層ガラスの窓は冬の寒い時期にも効果的なので是非取り入れてほしい設備です。

他にもグリーンカーテンとして夏はゴーヤを育てているお家も見かけますよね。
日よけにもなり、育てば食べることもできるので、ゴーヤがお好きな人は検討してみてはいかがでしょうか？

夏は日射対策がとにかく大事なので積極的に取り入れていきましょう。

排熱や通風も大事

日射対策をしても、100％熱が入らない家にするのは中々難しいのが現状です。
そんな場合は風を通して排熱・通風も行う事が快適に過ごせるコツ。

暖かい空気は下から上へ上がっていくので入口を1階に、出口を入口と反対の屋根付近にしてあげるとうまく排出されます。

他にも、2003年に建築基準法が改正され、以降建築された建物は24時間換気システムの設置が義務化されています。
本来の設置理由はシックハウス症候群を防止する事を目的に設置が義務付けられたものですが、これにより家の空気環境が良くなりました。

この換気システムは
第一種換気
第二種換気
第三種換気
と、3種類存在しています。

特に第一種換気は給気も排気も機械で行い、空気を確実に循環できます。
さらに、熱交換換気システムで換気の際に取り込む空気を暑い温度から冷ました状態で室内に入れてくれるので夏の暑さを取り込まないようにもできる優れものです。
冬の場合は寒い空気を温めて取り込んでくれるので夏にも冬にもうれしい性能ですね。

これから家を建てる方は、換気システムについても相談してみると良いかもしれません。
設備や間取りを最大限に活かして快適に過ごせる家にしましょう。

全館空調も方法の一つ

全館空調ってご存じですか？

名前の通りですが、家の中すべての部屋をほぼ同じ温度してくれる空調システムのことを全館空調といいます。

このシステムは24時間365日稼働しているので常に快適な温度で生活することができます。
一括で空調管理をするので各部屋にエアコンは必要ありません。
また、廊下など「ここだけ暑い・寒い」というのもないところが魅力です。
就寝中の熱中症リスクや、冬にお風呂などで起きるヒートショックのリスクも軽減されるので安心ですよね。

猛暑日は家に帰ってエアコンがついてないとぐったりしてしまう、、なんて事も。
その様なちょっとしたストレスからも解放されるのが全館空調の良いところです。

もちろん全館空調は良いことばかりではありません。
部屋ごとの温度調節ができないので、家族それぞれに合わせた温度調節は難しいといえる設備です。
メーカーによっては多少の温度調整ができるかもしれませんが、どこまで可能なのか？金額に見合っているか？など調べる必要も出てきてしまいます。

また、それぞれ個別についているエアコンとは違い、万が一故障してしまったら家の中の空調が全部ストップしてしまいます。
この部屋は使える！がないので、猛暑日にトラブルが起きてしまうと逃げ場がなくなってしまう等のデメリットがあります。

他にも導入費用が高額だったり、メンテナンスが必須だったり、家の性能自体が良くないと導入できないなどのデメリットが色々あるので、しっかりメリット・デメリットを比較して検討することをおすすめします。

夏を快適に過ごす+省エネも可能です

夏を快適に過ごすためには省エネなんてできないと思っていませんか？
確かに空調をつけたりすると電気を使うので難しいと感じてしまいますよね。

家の中の温度を上げてしまうものの一つに「照明」があります。
照明の近くって意外と暑かったりしませんか？

不要な照明はこまめに消すと省エネ効果は約2％
リビングや寝室の照明の明るさを下げると省エネ効果は約3％
他にも冷蔵庫の温度が強になっている場合は中に変えてあげたり、食品を詰め込みすぎないように工夫すると節電につながります。

全家庭で消費電力の1％を削減するとコンビニ1万店舗以上が消費する電力と同程度のエネルギーの削減ができるそうです。

夏季の省エネについて資源エネルギー庁でもお知らせが出ているので是非チェックしてみてください。

経済産業省 資源エネルギー庁　夏季の省エネhttps://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/2024_summer/leaflet_katei.pdf

猛暑を乗り切るためには空調は大事なので、無理のない範囲で室内の温度調整をしつつ、他のところで節電していくとご家庭の電気代も少し負担が軽くなるのではないでしょうか。

暑い夏を乗り切り、うまく省エネもしちゃいましょう。

まとめ

長野の年間猛暑日は上がっていき、冬日は減少すると予想されています。

冬は確かに厳しい寒さですが、今後は夏の暑さの対策もしていかないといけませんね。
特に年配の方はエアコンの使用を控えてしまう傾向にあるので、気が付かないうちに熱中症になっていたなんてことも。

これから家を建てる方は、冬の寒さ対策だけではなく、夏をどう快適に過ごせるかもしっかり考えていくことをおすすめします。

また、気温が上昇すると夏が暑いだけではなく、災害も増えてしまいます。
長野市で起きた大きな水害は2019年の台風19号による千曲川の決壊で発生した水害ですが、国土交通省でも長野市のこの水害は地球温暖化の影響だと判断されています。

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