
住宅ローンを返済中の皆さまの中には、
「最近、住宅ローンの金利が上がっているけれど、この先も上昇するのだろうか?」
「変動金利で住宅ローンを借りているけれど、金利が上がったら返済額はどうなる?」
「今の住宅ローンを借り換えたほうがいいの?」
このような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
日本では長らく低金利の環境が続いてきましたが、現在は金融政策や経済環境の変化により、住宅ローンを取り巻く環境も変わりつつあります。
特に変動金利型の住宅ローンを利用している方にとっては、今後の金利動向は家計に関わる重要な問題です。
しかし、将来の金利がどこまで上昇するのかを正確に予測することはできません。
だからこそ大切なのは、金利の動きを予想することだけではなく、「今の住宅ローンが現在の自分の家計に合っているのか」を一度見直してみることです。
そこで今回の記事では、住宅ローン返済中の方に向けて、住宅ローンの「借り換え」について分かりやすく解説します。
住宅ローンの「借り換え」とは?
住宅ローンの借り換えとは、現在利用している住宅ローンを別の住宅ローンに変更することです。
一般的には、新しい金融機関から住宅ローンを借り入れ、その資金を使って現在の住宅ローンを完済します。
例えば、現在、
- 住宅ローン残高:2,500万円
- 残りの返済期間:25年
- 金利:年1.5%
という住宅ローンを利用しているとします。
新しい住宅ローンを、
- 借入額:2,500万円
- 返済期間:25年
- 金利:年0.9%
といった条件で借り換えることができれば、金利差によって将来支払う利息を減らせる可能性があります。
ただし、借り換えには事務手数料や登記費用などの諸費用がかかります。
そのため、「金利が低くなる=必ず借り換えたほうが得」ではありません。
借り換えを検討する際には、金利だけではなく、諸費用を含めた総返済額で比較することが重要です。
なぜ今、住宅ローンの借り換えを考える必要があるの?
住宅ローンの借り換えを検討する理由のひとつが、今後の金利上昇への備えです。
特に変動金利型の住宅ローンを利用している場合、金利が上昇すると、住宅ローンの利息負担が増える可能性があります。
日本銀行の金融政策や市場金利の動向によって、金融機関が提供する住宅ローンの金利も変化するため、今後の金利について不安を感じる方が増えるのも無理はありません。
もちろん、将来の金利が必ず上昇するとは限りません。
また、住宅ローンの金利が上昇した場合でも、すぐに毎月の返済額が大幅に増えるとは限りません。住宅ローンには商品ごとに返済額の見直しルールなどがあるためです。
しかし、返済額の変化がすぐに表れない場合でも、金利上昇によって利息負担が増える可能性はあります。
だからこそ、「金利が上がってから考える」のではなく、「金利が上がった場合でも返済を続けられるか」を今のうちに確認しておくことが大切です。
住宅ローンの借り換えを検討したい人とは?
では、具体的にどのような方が住宅ローンの借り換えを検討するとよいのでしょうか。
①現在の住宅ローン金利が高めの方
まず確認したいのが、現在の「適用金利」です。
住宅ローンを契約した当時の金利ではなく、現在実際に適用されている金利を確認しましょう。
住宅ローンを借りてから数年、あるいは10年以上経過している場合、現在の住宅ローン商品と比較することで、より有利な条件で借り換えられる可能性があります。
「昔、住宅ローンを借りたときに十分低い金利だったから大丈夫」と思っていても、現在の金融機関の商品や金利水準が変化している可能性があります。
まずは住宅ローンの契約書や返済予定表、金融機関のウェブサイトなどで、現在の適用金利を確認してみましょう。
②住宅ローン残高が多く、返済期間が長く残っている方
住宅ローンの借り換えによるメリットは、一般的に住宅ローン残高が大きく、残りの返済期間が長いほど大きくなりやすい傾向があります。
例えば、残りの住宅ローンが数百万円で、返済期間も数年しか残っていない場合、金利が下がっても借り換えにかかる諸費用を考えると、メリットが小さくなる可能性があります。
一方、住宅ローン残高が2,000万円、3,000万円と残っており、返済期間も20年以上ある場合には、わずかな金利差でも長期間にわたって影響する可能性があります。
そのため、
「住宅ローン残高はいくらあるのか」
「返済期間はあと何年残っているのか」
を確認することが重要です。
③変動金利の上昇が家計の不安につながっている方
現在、変動金利型の住宅ローンを利用していて、
「今は問題なく返済できているけれど、金利が上がったら心配」
という方も、住宅ローンの見直しを検討してみるとよいでしょう。
借り換えによって、現在より低い金利の商品を選択できる場合があるほか、変動金利から固定金利へ変更することで、将来的な金利上昇リスクを抑えるという選択肢もあります。
ただし、固定金利は変動金利より金利水準が高い場合もあります。
そのため、「金利上昇が心配だから固定金利にする」という一面的な判断ではなく、現在の家計状況や今後のライフプランを踏まえて判断することが大切です。
住宅ローン借り換えのメリット
住宅ローンを借り換えることで、主に次のようなメリットが期待できます。
メリット1|総返済額を減らせる可能性がある
現在より低い金利で借り換えることができれば、将来支払う利息を減らせる可能性があります。
特に住宅ローン残高が大きく、返済期間が長く残っている場合には、金利差が総返済額に与える影響も大きくなります。
メリット2|毎月の返済額を抑えられる可能性がある
借り換えによって金利が下がれば、毎月の返済額を抑えられる場合があります。
住宅ローンの返済額が下がれば、その分を教育費や貯蓄、老後資金などに回すこともできます。
ただし、返済期間を延ばすことで毎月の返済額を下げる場合、総返済額が増える可能性もあるため注意が必要です。
メリット3|金利上昇リスクへの備えができる
変動金利から固定金利へ借り換える場合、将来的な金利上昇の影響を受けにくくなるというメリットがあります。
毎月の返済額をある程度固定できるため、将来の家計を計画しやすくなるでしょう。
住宅ローン借り換えの注意点
一方で、借り換えには注意すべきポイントもあります。
諸費用がかかる
住宅ローンの借り換えでは、金融機関の事務手数料や登記関係費用、司法書士報酬など、さまざまな諸費用が発生します。
そのため、借り換えによって減らせる利息が100万円あったとしても、諸費用が80万円かかるのであれば、実際のメリットは20万円程度ということになります。
金利差だけで判断せず、諸費用を含めて比較することが重要です。
新たに審査を受ける必要がある
住宅ローンの借り換えでも、新しい金融機関による審査があります。
年収や勤務状況、住宅ローンの残高、返済期間、物件の担保評価など、さまざまな条件が審査の対象となります。
そのため、「借り換えたい」と思っても、必ず希望する条件で借り換えられるとは限りません。
借り換えれば必ず得になるわけではない
現在の住宅ローンの条件によっては、借り換えをしないほうがよいケースもあります。
また、借り換え先の金利だけでなく、団体信用生命保険の保障内容や手数料、繰上返済の条件なども確認する必要があります。
「金利が低い」という一点だけで決めないことが大切です。
「変動金利」と「固定金利」どちらを選ぶ?
住宅ローンの借り換えを検討するとき、多くの方が悩むのが「変動金利と固定金利、どちらがよいのか」という問題です。
変動金利は、一般的に固定金利より低い金利でスタートするケースが多い一方、将来的な金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。
一方、固定金利は変動金利より金利が高い場合がありますが、一定期間または全期間の金利を固定することで、金利上昇による影響を抑えやすいという特徴があります。
どちらが正解というものではありません。
例えば、
「多少金利が上昇しても、低い金利を活用して返済したい」
という方と、
「多少金利が高くても、将来の返済額を安定させたい」
という方では、適した住宅ローンが異なります。
住宅ローンを借り換える際には、目先の金利だけではなく、今後の収入・支出やライフプランまで含めて考えることが重要です。
「金利が上がってから」ではなく、今のうちに確認を
「住宅ローンの金利が上がったら借り換えればいい」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、借り換えを検討するのであれば、早めに情報収集しておくことをおすすめします。
住宅ローンの借り換えには審査があるためです。
また、金利が上昇した場合、新しく借り換える住宅ローンの金利も上昇している可能性があります。
そのため、
「今すぐ借り換える」と決める必要はありませんが、「今の住宅ローンと他の商品を比較しておく」
ことには意味があります。
将来の金利がどうなるかを予測するのではなく、現在の住宅ローンを基準にして、「金利が上昇した場合」「固定金利に変更した場合」「別の金融機関に借り換えた場合」など、いくつかのケースをシミュレーションしておくとよいでしょう。
住宅ローン借り換えを検討する際のチェックリスト
最後に、現在の住宅ローンを見直す際に確認しておきたいポイントをまとめます。
現在の住宅ローンについて
- 現在の適用金利は何%か
- 住宅ローン残高はいくらか
- 残りの返済期間は何年か
- 毎月の返済額はいくらか
- ボーナス返済を利用しているか
- 変動金利・固定金利のどちらか
- 金利の見直しルールはどうなっているか
- 団体信用生命保険の保障内容はどうなっているか
借り換えを検討するとき
- 借り換え後の金利はいくらか
- 毎月の返済額はいくらになるか
- 総返済額はいくらになるか
- 借り換えに必要な諸費用はいくらか
- 固定金利・変動金利のどちらが自分に合っているか
- 借り換え後の住宅ローンの保障内容はどうか
これらを一つずつ確認していくことで、現在の住宅ローンがご自身の家計に合っているかを判断しやすくなります。
まとめ|住宅ローンの金利上昇が不安なら、まず「今」を確認しましょう
住宅ローンの金利が今後どのように推移するのか、正確に予測することはできません。
だからこそ、金利上昇をただ不安に感じるのではなく、「今の住宅ローンは自分に合っているのか」を確認することが大切です。
住宅ローンの借り換えによって、
- 総返済額を減らせる可能性がある
- 毎月の返済額を抑えられる可能性がある
- 金利上昇リスクに備えられる
といったメリットが期待できます。
一方で、借り換えには諸費用がかかり、審査も必要です。
そのため、借り換えをするかどうかは、金利だけではなく、住宅ローン残高・残りの返済期間・諸費用・家計状況・今後のライフプランを含めて総合的に判断することが重要です。
「借り換えたほうがいいのか分からない」
「今の変動金利のままで大丈夫なのか不安」
「固定金利への変更も含めて検討したい」
という方は、まず現在の住宅ローンの内容を確認してみてはいかがでしょうか。
住宅ローンは、長い期間にわたって家計に影響する大きな支出です。
金利が上昇してから慌てて考えるのではなく、余裕のある今のうちに、ご自身の住宅ローンを見直しておく。
それが、将来の家計を守るための一つの方法です。
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