長野市で住宅購入する場合はハザードマップを大事にした方が良い?

長野で住宅購入を検討されている方がたくさんいるかと思います。
その際に気になるものの一つが「ハザードマップ」です。

普段から見るものではないので、手元にあっても実際には一度も開いたことがない、という方も意外と多いかもしれません。

「そもそもハザードマップって?」
「住宅購入の際は気にしておいた方が良いの?」
「ハザードマップで色が付いている場所には家を建てない方が良いの?」

住宅を購入するときは、価格や間取り、学校、買い物のしやすさなど、どうしても生活面のことを優先して考えてしまいます。
もちろんそれらも大切ですが、長く暮らす家だからこそ、その土地にどのような災害リスクがあるのかを事前に確認しておくことも大切です。

今回は、長野市で住宅を購入するときに知っておきたいハザードマップについてご紹介していきたいと思います。

目次

  1. ハザードマップとは?
  2. ハザードマップ確認の方法
  3. 危険エリアには家を建てない方が良い?
  4. ハザードマップだけで土地を決めない
  5. 保険についても確認しておこう
  6. 長野市では2019年に大きな水害が発生しました
  7. ハザードマップは「土地を選ぶため」だけではありません
  8. まとめ

ハザードマップとは?

聞いたことはあるけれど、実際にどのようなものなのか詳しく知らない人もいるハザードマップ。
一般的には、自然災害による被害を軽減したり、防災対策を考えたりするために、災害が発生した場合に被害が想定される区域や避難場所などを地図上に示したものです。

例えば洪水ハザードマップであれば、
「この地域は洪水が発生した場合、どのくらい浸水する可能性があるのか」
「避難場所はどこなのか」
といった情報を確認することができます。

長野市では現在、洪水ハザードマップや土砂災害ハザードマップが公開されています。
長野市の洪水ハザードマップでは、対象となる河川が氾濫した場合の浸水範囲や浸水の深さ、避難所などを確認できます。

また、長野市の土砂災害ハザードマップでは、土砂災害特別警戒区域などが指定された地区について確認することができます。

つまり、「この土地はどのような災害リスクがあるのか?」を住宅購入前に確認するための重要な資料の一つということです。

ただし、ここで一つ覚えておきたいのが、ハザードマップに色が付いている=必ず災害が起きる場所、という意味ではないということです。
あくまで一定の条件を想定して作られたものなので、表示されている情報をもとに、その土地でどのようなリスクが考えられるのかを確認することが大切です。

ハザードマップは住宅購入前に確認しておこう

住宅を購入するときには、できれば土地を決める前にハザードマップを確認しておきたいところです。

例えば、
「駅から近いからここがいい!」
「学校が近いからここがいい!」
「予算に合う土地が見つかった!」
と土地を決めてからハザードマップを確認したところ、
「思っていたよりも浸水想定が深い……」
ということも考えられます。

もちろん、ハザードマップだけを理由に土地を選ばなければいけないわけではありませんが、住宅は購入してから簡単に場所を変えられるものではありません。

だからこそ、土地を購入する前に、

  • 洪水のリスク
  • 土砂災害のリスク
  • 浸水した場合の深さ
  • 避難場所
  • 避難経路
  • 周辺の道路状況
  • 土地の地形や高さ

などを確認しておくことが大切です。
「知らずに購入する」のと「リスクを知った上で購入する」のでは大きな違いがあります。

ハザードマップ確認の方法

実際にハザードマップを確認してみよう、となっても、「どこで確認すればいいの?」と思う方もいるかもしれません。

現在はインターネットから簡単に確認することができます。
国土交通省では「ハザードマップポータルサイト」が公開されており、全国の災害リスクを確認できます。
このサイトには、自治体が公開しているハザードマップを検索できる「わがまちハザードマップ」と、複数の災害リスクを地図上に重ねて確認できる「重ねるハザードマップ」があります。

国土交通省 ハザードマップポータルサイト

基本的には住所を入力して調べるだけなので、とても簡単です。
例えば購入を検討している土地があれば、その住所を入力して、
「洪水」
「土砂災害」
などの情報を確認してみましょう。
災害リスクだけではなく、避難場所なども確認することができます。

国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水や土砂災害だけでなく、内水氾濫、高潮、津波などの浸水想定区域や、土地の成り立ちなど、様々な情報を重ねて確認することもできます。

長野市のハザードマップも確認してみよう

長野市では、市のホームページからもハザードマップを確認することができます。
特に住宅購入を考えている方は、「長野市行政地図情報」も確認してみるとよいでしょう。

長野市の行政地図情報では、防災マップとして洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、避難施設などを確認できます。
また、長野市の洪水ハザードマップでは、住所を入力することで、その周辺の浸水想定区域や避難場所などを確認することができます。

長野市 洪水ハザードマップ

長野市 ハザードマップ・防災マップ

土地を探している場合は、気になる土地が見つかった段階で住所を検索してみるのがおすすめです。
不動産会社から土地を紹介してもらった場合も、「この土地のハザードマップを確認したい」と伝えてみるとよいでしょう。

危険エリアには家を建てない方が良い?

自分たちの住みたい場所をハザードマップで調べてみたら、浸水想定区域になっていた。
そんな場合、「この土地はやめた方がいいの?」と思う方もいるでしょう。

ここは非常に難しいところです。
というのも、長野市の場合、災害リスクを一つの項目だけで判断することはできません。

長野市には千曲川や犀川などの河川があり、地域によっては洪水による浸水リスクがあります。
一方で、山沿いなどでは洪水とは別に土砂災害のリスクを確認する必要があります。

つまり、「水害がない場所ならどこでも安全」という単純な話ではありません。
土地によって、
「洪水」
「土砂災害」
「地震」
など、確認するポイントが変わってきます。

そのため、ハザードマップに色が付いているか、付いていないかだけで土地を判断するのではなく、「どのような災害が」「どの程度想定されているのか」を確認することが大切です。

土地を見るときは周辺の状況も確認してみよう

ハザードマップを確認するときには、購入を検討している土地そのものだけではなく、周辺の状況まで一緒に確認してみることをおすすめします。

例えば、土地のすぐ近くに川や水路がないか、周辺より低い場所になっていないか、大雨が降ったときに水が集まりやすい場所ではないかなどです。

また、災害が発生した場合には、避難場所までの道路が使えなくなる可能性もあります。
そのため、
「家から避難場所までどうやって移動するのか」
「大雨のときでも通れる避難経路なのか」
というところまで確認しておくと、より具体的に災害への備えを考えることができます。

地図上だけでは分からないこともありますので、実際に現地を歩いて周辺の道路や高低差などを確認してみるのもよいでしょう。

「浸水深」は必ず確認しておきたい

洪水ハザードマップを見ると、地域によって色が分かれていることがあります。
これは、洪水が発生した場合に想定される浸水深を示しています。

同じ「浸水想定区域」であっても、「少し浸水する想定」と「建物の1階部分が大きく浸水する想定」では、住宅を建てる上で考えることが変わってきます。

そのため、土地を検討するときには、「ハザードマップに色が付いているか」だけではなく、「最大でどのくらいの浸水深が想定されているのか」まで確認してみましょう。

そして、浸水深だけではなく、「その土地から避難場所まで安全に移動できるのか」という視点も重要です。
例えば、自宅の周辺だけを見ると問題がなさそうでも、避難場所までの道路が浸水する可能性があれば、避難方法について別途考えておく必要があります。

ハザードマップだけで土地を決めない

ここまで読んで、「じゃあ、ハザードマップで危険な場所は全部避ければいいんだ」と思う方もいるかもしれません。
もちろん災害リスクを避けられるのであれば、それも土地選びの一つの考え方です。

ただ、住宅購入では、

  • 通勤・通学
  • 子育て環境
  • 買い物
  • 病院
  • 駅やバス停
  • 土地価格
  • 周辺環境
  • 日当たり
  • 道路
  • 建物の性能

など、様々な条件を総合的に考えることになります。

そのため、「ハザードマップだけで土地を決める」のではなく、「ハザードマップも土地選びの重要な判断材料の一つにする」くらいに考えるとよいでしょう。

気になる土地が見つかったら、
「この土地にはどのような災害リスクがあるのか?」
「そのリスクに対してどのような対策ができるのか?」
まで考えてみることが大切です。

ハザードマップに合わせて家づくりを考える

水害リスクがある場所だけど、「どうしてもこの場所がいい!」という方もいると思います。
その場合は、土地を諦める以外にも、リスクを把握した上で建物や避難方法などを考えるという方法があります。

例えば、

  • 重要な設備をできるだけ高い位置に配置する
  • 浸水リスクを考慮した建物計画にする
  • 玄関や居室の配置を工夫する
  • 避難経路を事前に確認する
  • 家族で避難場所や避難方法を決めておく
  • 火災保険・地震保険などの補償内容を確認する

など、土地のリスクに応じて考えられることがあります。

ただし、こうした対策をしたからといって、災害リスクそのものがなくなるわけではありません。
「危険だから対策すれば大丈夫」ではなく、「リスクを知った上で、できる対策を一つずつ考える」という考え方が大切です。

保険についても確認しておこう

住宅を購入するときには、土地や建物だけではなく、万が一の災害に備えた保険についても確認しておきたいところです。

特にハザードマップを確認して、「この土地は洪水による浸水リスクがあるんだ」と分かった場合には、建物のことだけではなく、万が一被害を受けた場合にどうするのかまで考えておくと安心です。

住宅を購入すると、多くの方が火災保険について検討することになりますが、火災保険に加入していれば、どのような水害でも補償されるというわけではありません。
火災保険の中には水災補償を付けるかどうかを選択できる商品もあり、契約内容によって補償される範囲や条件が異なります。

そのため、「火災保険に入っているから大丈夫」ではなく、「自分が加入している火災保険では、どのような災害が補償されるのか」を確認しておくことが大切です。

例えば、洪水によって床上まで浸水してしまった場合など、一定の条件を満たせば水災補償の対象となる場合があります。

一方で、補償の対象となる条件は保険商品や契約内容によって異なるため、ハザードマップを確認したうえで、保険会社や代理店に相談してみるとよいでしょう。

家財についても考えておこう

住宅が災害に遭った場合、建物だけが被害を受けるとは限りません。
家具や家電、衣類などの家財も被害を受ける可能性があります。
例えば、床上浸水によって冷蔵庫や洗濯機、テレビ、家具などが使えなくなってしまえば、建物の修理とは別に買い替え費用が必要になります。

そのため、住宅を購入するときには、「建物にどのような補償を付けるか」だけではなく、「家財についてもどこまで備えるか」ということも考えておきたいところです。

特に新築住宅の場合は、家具や家電を新しく購入する方も多いですよね。
せっかく新しい家を建てたのに、災害によって家電や家具まで一度に買い直すことになれば、かなり大きな負担になってしまいます。

地震についても忘れずに

ハザードマップを見るときには洪水や土砂災害に目が行きがちですが、地震についても考えておく必要があります。

地震による建物や家財の損害については、火災保険だけでは補償されない部分があるため、地震保険についても確認しておきましょう。

長野市で住宅を購入する場合も、「この土地は洪水のリスクがあるのか」だけではなく、「地震が発生した場合はどうなのか」など、複数の災害について考えておくことが大切です。

保険だけに頼るのではなく、事前の備えも大切

ここで注意したいのが、「保険に入っているから、ハザードマップは気にしなくてもいい」ということではありません。
保険は、あくまで災害によって発生した経済的な負担に備えるためのものです。

実際に災害が発生した場合には、家族が避難しなければならないこともありますし、道路が通れなくなったり、ライフラインが止まったりする可能性もあります。

そのため、
土地選び
建物の対策
避難場所や避難経路の確認
防災用品の準備
保険による経済的な備え
といったように、いくつかの方法を組み合わせて考えておくことが大切です。

住宅購入は何千万円という大きな買い物になります。
だからこそ、購入する前にハザードマップを確認し、「もしこの土地で災害が起きたら、自分たちはどうするのか?」まで家族で話し合っておくとよいでしょう。

長野市では2019年に大きな水害が発生しました

長野市で住宅を購入するのであれば、過去の災害についても知っておきたいところです。

2019年10月の令和元年東日本台風では、長野市内でも大きな浸水被害が発生しました。
長沼地区穂保では千曲川の堤防が決壊し、千曲川沿川の篠ノ井地区、松代地区、若穂地区などでも浸水被害が発生しています。
長野市の検証報告書によると、市内の浸水区域は1,541haに及び、4,000棟を超える住家が被害を受け、2名の方が亡くなる大きな災害となりました。

これは、「長野市は海がないから水害は大丈夫」とは言えないことを改めて考えるきっかけになった災害でもあります。

また、災害は洪水だけではありません。
長野市では土砂災害ハザードマップも公開されており、土砂災害特別警戒区域などを確認することができます。
だからこそ、住宅購入の際には「水害だけ」「地震だけ」と考えるのではなく、その土地で考えられる災害を一通り確認することが大切です。

ハザードマップは「土地を選ぶため」だけではありません

ハザードマップというと、「危険な土地を避けるための地図」というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それも重要な役割の一つです。

しかし、もう一つ大切なのが、「災害が起きたときに、どう行動するかを考えるための地図」ということです。
例えば、
「家から避難場所までどのくらいかかる?」
「どの道路を通って避難する?」
「大雨のとき、この道路は通れる?」
「家族が別々の場所にいる場合はどうする?」
などを、普段から家族で話しておくことができます。

災害が起きてから考えるのではなく、平常時に確認しておくことが大切です。

まとめ

住宅購入では、土地の価格や立地、間取りなど、どうしても目に見える部分に注目しがちです。

しかし、家は何十年と暮らしていくもの。
だからこそ、「この土地にはどのような災害リスクがあるのか?」ということも、購入前に確認しておきたいポイントです。

長野市には洪水や土砂災害など、地域によって異なる災害リスクがあります。
ハザードマップを確認したからといって災害を完全に防げるわけではありません。
また、ハザードマップに色が付いているからといって、必ずしも「その土地は買ってはいけない」ということでもありません。

大切なのは、「どのようなリスクがあるのかを知ること」
そして、「そのリスクに対してどのように備えるのかを考えること」
です。

土地を探すときには、まず気になる土地の住所をハザードマップで確認してみましょう。

そして、
浸水深はどのくらいなのか
土砂災害のリスクはないか
避難場所はどこなのか
避難経路はどうするのか
などを確認してみてください。

住宅購入は大きな買い物だからこそ、良いところだけを見るのではなく、気になるところもしっかり確認した上で選ぶことが大切です。

「この土地に家を建てたいけれど、ハザードマップを見ると少し気になる」
そんな場合も、すぐに諦めてしまうのではなく、土地・建物・避難・保険など、いろいろな角度から考えてみるとよいでしょう。
長く安心して暮らせる家をつくるためにも、ハザードマップを住宅購入の最初の段階から確認する習慣をつけておくことをおすすめします。